ドラマ『シグナル』最終回ネタバレ感想&総括。三枝の兄、大山の運命は?未来は変わるのか?

シグナル

『シグナル-長期未解決事件捜査班-』坂口健太郎テレビドラマ初主演!尾崎将也脚本!

 

フジテレビの火曜21時枠、いわゆる関テレ枠(元々は火曜22時)で最終回を迎えた『シグナル』についてレビューしていきます。

 

『シグナル-長期未解決事件捜査班-』あらすじ

 

 

三枝は、幼い頃に友達の女子児童が誘拐・殺害された事件で、女子児童を連れ去った謎の女を目撃した。そのことを警察に伝えるも誰にも相手にされず、15年が経ち、時効間近となっていた。ある日、廃棄されるはずだった無線機から聞こえてくる声を耳にする。声の主は、健人と同じ事件を追う刑事で、事件に関する手がかりを話す。最初は信じられなかった健人だが、無線機越しの刑事から聞いた場所に向かうと、なんとそこには何者かの白骨死体が…。
その後も、その刑事と無線機で交信を続けるうちに、健人は相手が過去を生きている人物であることを知る。二人は互いに協力し合い、未解決事件を解き明かしていく――。

 

原作は韓国の人気ドラマ

 

2016年1月22日から同年3月12日にかけて、韓国tvNで放送されたテレビドラマ『シグナル』(시그널)が原作。

主演は『建築学概論』のイ・ジェフン。

本作はそのドラマの日本版リメイクです。

 

 

原作版は未視聴。

ですが、本国では非常に評価の高いドラマだったらしい。

 

脚本を手掛けるのは、尾崎将也

 

代表作に『アットホーム・ダッド』『結婚できない男』『特命係長 只野仁』『白い春』『梅ちゃん先生』があります。

特に、阿部寛主演の『結婚できない男』は名作ドラマとして語られることが多い大傑作です。

ぼくも大好きな脚本家の一人なので、とりあえず尾崎さんが脚本を担当するドラマは必ず観るようにしています。

 

尾崎脚本の特徴

 

尾崎将也は、20年以上のキャリアの中で原作モノもオリジナルも数多く担当してきています。

ジャンルもラブストーリー、コメディ、サスペンス、職業モノと幅広いです。

 

テレビドラマの世界で著名な脚本家は、やはり強烈な作家性があることが多い。

(テレビドラマの世界に限らずクリエイティブな分野で生き残るためには、他のクリエイターとの差別化、強い特徴を押し出さなければいけないというのは、ある意味当然のことですけども)

 

尾崎将也はどちらかと言えば、強い個性をぶつけてくるような作風ではありません。

時代性を反映させ、制作サイド・視聴者サイドの両方のニーズを汲み取って、「今」求められることを作品の中で描くことに長けた職人型の脚本家というのがぼくの印象だ。

 

「映画は監督のもの、舞台は役者のもの」とよく言われるが、「テレビドラマは脚本家のもの」なのだ。

テレビドラマを語る上で、やはり「脚本家」という要素からは逃れられない。

いずれは、このブログでも「脚本家」自体にスポットを当てた記事を書いていきたい。

 

感想&まとめ

 

骨太なストーリーが魅力の本格サスペンス

 

本作は「意外な展開・意外な犯人」がウリのミステリ仕立ての作品というわけではありません。

基本的に事件の真相はある程度予想ができます。

 

このドラマの見どころは

取り扱う事件が「なぜ『未解決』になってしまったのか」という点と、“現在”と“過去”2人の刑事が事件を解決に導くまでの執念の過程です。

 

展開としては、1つの事件に2〜3話かけてじっくりと描きこまれます。

1話完結という縛りの中で早足に解決することがないため、非常に重厚なストーリーに仕上がっています。

 

無線機で繋がる“現在”と“過去”

 

このドラマでキーになるのは、「無線機」というアイテム。

“現在”と“過去”を交差させながら過去を変え、未来を変えて、長期未解決となった事件を解決していく。

 

ただ、無線機が時空を超えて交信する現象についての説明は特にありません。

大山の無意識の意思がそうさせているのか、運命が2人を導いているのかは分かりません。

現在(三枝側)が23時23分に繋がるという以外は特にルールもない。

現在は時系列通りに進むがが、過去(大山側)は時間軸が前後します。

また、毎日必ず繋がるというわけでもないようです。

 

この「無線機」というアイテムがストーリー上の重要な推進力になっているわけですが、あまりにもルールが明確でなく、都合のよいアイテムとしてしか機能していないため、やや緊張感に欠ける面はあったかなというのが正直なところです。

 

未解決事件に隠された真実

 

「新たに警察に創設された特捜班が『未解決』となった事件に立ち向かっていく」という設定・構図は、正直やり尽くされている感はあります。

今期ドラマだけでも、テレビ朝日木曜ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』でも同様に未解決事件の再捜査を題材としています。

とは言え、

『シグナル』は若干のSF要素ととにかくシリアスな本格派ストーリーがウリ。

『未解決の女』は事件の遺留品などの文書から事件の手掛かりを読み解く「文書捜査」と主要キャスト2人の軽妙なやりとりがウリ。

と雰囲気はけっこういます。

 

ぼく個人としては「脚本の面白さ」という点では、『シグナル』に軍配があると思っています。

また、『シグナル』にとっては「無線機」も「未解決事件」も要素でしかありません。

重要なのは、「過去」に翻弄されながらも必死で正義を貫き、「現在」を「未来」を変えようとする刑事たちが織りなす人間模様です。

 

2018年春ドラマでは、もっともおすすめできる作品

 

もちろん原作の完成度あり気な部分も多いですが、重厚なヒューマンドラマを骨太なストーリーテリングで描く尾崎将也の手腕はさすがとしか言いようがないです。

2018年春ドラマの中では、屈指のクオリティと言えます。(今期ドラマが全体的に迫力に欠ける点は差し引いても)

 

何と言っても、坂口健太郎と北村一樹の演技は本当に素晴らしかったですね。

これだけでも、このドラマを観た価値があったと思うくらい。

 

坂口健太郎は初の主演作品ですが、回を追うごとによい演技をするようになっていきました。

また、坂口健太郎以上に北村一輝の鬼気迫る演技にはシビれましたね。

北村一輝は強面役のイメージが強いですが、大山刑事のような「ガサツで不器用だけど、実直な熱血漢」という役所はとてもよかったです。

 

スリリングな面白いドラマでした。