ドラマ『アンナチュラル』第3話ネタバレ感想。法廷で掴み取るのは“法医学の勝利”!

アンナチュラル第3話

ドラマ『アンナチュラル』第3話についてレビューしていきます。

 

 

ドラマ『アンナチュラル』第3話のあらすじ

 

Unnatural Death #3 予定外の証人

ミコト(石原さとみ)は半年前に発生した“主婦ブロガー殺人事件”の裁判に、代理証人として出廷することになる。被告は被害者の夫の要一(温水洋一)。殺害の動機は、妻からの精神的DVによるものだと罪を認めていた。しかし裁判で証拠として提出された包丁が本当の凶器ではないことに気づいたミコトは、凶器の矛盾を指摘。それを聞いた被告の要一も、一転して無実を主張する。

裁判は大混乱になり、検事の烏田(吹越満)はミコトに激怒。検察を敵に回すと警察庁からUDIへの補助金にも影響があるのではと所長の神倉(松重豊)が心配する中、ミコトは事件の真実を明らかにするため再び法廷に立つことを決意する。白いものをも黒くするという異名をとる有罪率99.9%のやり手検事とミコトの法廷バトルが始まる!

 

 

 

以下、ネタバレありの感想レビューです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラマ『アンナチュラル』第3話の感想

 

「男vs女」の構図

 

同時期に放送されていた弁護士ドラマ『99.9』を意識した?法廷回でした。

比較的派手な展開と大胆な構造の転換を見どころとしていた第1話・第2話と比べると事件的には地味めのエピソードかもしれません。

 

第3話で視聴者が否が応でも意識せざるを得ないのは、過剰に強調される「男vs女」の構図。

ここから視聴者は、「女性であること」で虐げられたミコトが法医学の知識を駆使して、最後には「男性」の弁護士に逆転勝利をおさめるという展開を期待します。

しかし、『アンナチュラル』はこうした安易な予定調和に逃げず(たとえ予定調和でも十分な痛快さがあるにも関わらず)、非常に斬新な方法で問題の解決を図ります。

 

第3話は「主婦ブロガー殺人事件」と「中堂のパワハラ訴訟問題」という2つのプロットが並行します。

ミコトは裁判で「女性であること」を理由に蔑ろにされ、意見を聞いてもらうことができません。

一方、中堂は坂本との話し合いが進展せず、訴訟問題が解決しません。

そこでミコトのある提案によって、手詰まりであった2つの状況を打破しようと試みます。

 

裁判へはミコトの代わりに中堂が出廷し、法医学的知見から積み重ねた論証により、相手検事に反論の余地を与えず、事件を真相へと導きます。

逆にミコトは坂本に掛け合い、パワハラ訴訟問題の解決を図ります。

それぞれの土俵の中で正攻法で勝利を掴み取ることに固執せず、視点を変えて問題を乗り越えることを選択します。

なぜならミコトにとって優先すべきは、「女性差別をする社会」に対しての勝利などではないからです。

法医学者として、法医学の力で「不条理な死」という敵に勝利をすること。

そのための最適な方法を選択しただけなのです。

 

この展開を女性である野木亜紀子氏が描いているということが本当に素晴らしいです。

 

 

ドラマ『アンナチュラル』第4話のまとめ

 

「土俵に上がらない」ことで勝利を掴んだ結果になりましたが、視聴者の中にはやはりミコト自身が闘うことで勝利を描いてほしかったという気持ちが残ってしまうことも事実でしょう。

しかし、最後に法廷を去る中堂が発する捨て台詞の中にこうした視聴者への配慮があります。

 

中堂は自分に対して頭を下げる被告要一に対して、

「ふざけるな。女は信用できねえだとお前がクソ小せえこと言ってるから俺が駆り出されたんだ」

と吐き捨てます。

自分を救うために奔走していたミコトを「女だから」という理由で信用しなかった被告の要一を非難することで、モヤモヤを抱えていた視聴者の溜飲を下げカタルシスを与える構成にしています。

 

また同時に、

「人なんてどいつもこいつも切り開いて皮を剥げばただの肉の塊だ。死ねば分かる」

というセリフを続けることで、中堂を男女差別などに囚われない合理的な思考をするキャラクターとして描くことにも成功しています。

 

「男vs女」という解決の難しいテーマを布石として利用し、最終的に「法医学の勝利」という次元を引き上げたメッセージに結実させる手腕は見事としか言いようがありません。

第1話・第2話に比べて展開も演出も地味めな第3話でしたが、キャラクターやテーマを強固していく上で重要や役割を果たすエピソードとなりました。

 

さて、次は第4話のレビューです。